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息子の友人が甘えてくるたび、私の中の何かが崩れていった

息子の友人がまた来た日のことは、今でもはっきり覚えている。夕方近く、キッチンで夕飯の下ごしらえをしていたら、インターホンが短く二回鳴った。覗き込むと、いつものように少し猫背の青年が立っていた。

息子は大学で一人暮らしを始めて、たまにしか帰ってこない。その友人の健は、息子が家にいた頃からよく遊びに来ていた子で、卒業後もなぜかうちに顔を出すようになった。大学の講義が早く終わった日や、バイトの合間に「おばさん、ちょっと相談いい?」と気軽に来る。最初は息子の代わりに話を聞いてあげるくらいの気持ちだった。夫は仕事で帰りが遅く、家の中が静かすぎて、誰かの声がするだけで助かる部分もあった。

健は二十歳を少し過ぎたばかり。細身だけど、スポーツをやっているせいか肩に筋肉がついていて、話し方は遠慮がち。よく「最近彼女と上手くいかなくて」とか「単位がキツくて」と愚痴をこぼしてくる。私は適当に相槌を打ちながら、冷蔵庫から冷たい麦茶を出してやったり、残り物の唐揚げを温め直して出したりしていた。四十代後半の主婦が若い男の話を聞くなんて、普通なら変に思われるかもしれない。でも健は純粋に甘えてくるだけで、下心があるようには見えなかった。

その日も同じだった。リビングのソファに並んで座って、彼がスマホを見せながら「この子、急に冷たくなったんです」と悩んでいた。私は「若い子は忙しいのよ」なんて答えながら、ふと彼の横顔を見た。まだあどけないのに、目元は大人びてきていて、唇の形が綺麗だった。自分でも気づかないうちに、視線がそこから離れなくなっていた。

「おばさん、なんか疲れてる?」と健が言った。私が少し俯いていたのを見たのかもしれない。「ううん、大丈夫。最近、体が重くてね」と適当に返した。本当は夫との関係がほとんどなくなって、夜一人でいる時間が長くなっていた。息子が家を出てから、家事をしても満たされない感じが続いていた。自分の体が少しずつ変化していくのを、毎日鏡で確認するのが憂鬱だった。

健は私の肩に軽く頭を預けてきた。甘えるような仕草。いつもなら「もう、子供じゃないんだから」と笑って肩を揺するのだけど、その日はなぜか手が止まらなかった。頭を撫でてやると、健は目を細めて気持ちよさそうにした。髪の毛が柔らかくて、シャンプーの匂いがした。若い男の体臭が、ほのかに混じっている。私の指が彼の耳の後ろをなぞった瞬間、健が小さく息を吸った。

「……おばさん」と低い声で呼ばれて、顔を上げると、彼の目が近くにあった。距離がおかしい。何かが違う。私は「だめよ」と小さく言ったけれど、声に力が入らなかった。健はゆっくりと顔を寄せてきて、唇が触れた。熱い。若い体温が直接伝わってくる。私は一瞬、体を引こうとしたけれど、腰が動かなかった。長い間、誰かに触れられる感覚を忘れていたせいか、ただその熱に溶かされていくようだった。

キスが深くなるにつれて、健の手が私の背中を抱いた。エプロンの上からでも、彼の指の感触がわかった。私の体は四十代半ばで、腰回りに少し肉がついている。若い頃のような張りはない。それが気になって、途中で「こんな体、見たくないでしょう」と呟いた。健は首を振って「綺麗です」と答えた。嘘でもいいから、その言葉が嬉しかった。

リビングのカーテンを閉め、ソファで体を重ねた。彼の服を脱がせると、まだ若い肌が白くて、胸の筋肉が柔らかく隆起している。私のワンピースのボタンを外す手が、少し震えていた。下着を見せる瞬間、久しぶりに恥ずかしくなった。普段はレースのないシンプルなものを着けているだけなのに、若い男の前だと急に意識してしまう。健はそれをゆっくり剥がして、私の胸に顔を埋めた。乳首を舌で転がされる感触が、腰の奥まで響いた。熱い吐息が皮膚に当たるたび、体が勝手に反ってしまう。

「気持ちいい?」と聞かれて、頷くしかなかった。自分を正当化しようとする思考が、頭の隅でぐるぐる回っていた。これはただの甘えだ、息子の友人を慰めてあげているだけだ、と。でも下半身はもう正直で、彼の指が太腿の内側を撫でると、熱いものが溢れ出してきた。指が入ってきたとき、内側が押し広げられる感覚に息を止めた。久しぶりに感じる異物感と、若い指の動きのぎこちなさが混ざって、じれったいのに気持ちよかった。

彼を仰向けにして、自分が上に乗った。硬いものが太腿に当たる感触に、思わず腰を動かしてしまう。挿入する瞬間、熱が奥まで広がっていくのがわかった。決して大きくはないけれど、若い体の熱が直接伝わってきて、内壁がそれに反応して収縮する。ゆっくり腰を動かし始めると、健は苦しそうに目を細めた。「おばさん、動かしすぎ……」と言いながらも、両手で私の腰を掴んで合わせてくる。肌が触れ合う音が小さく響いて、汗の匂いが混じり始めた。

最初は優しく動いていたのに、徐々にリズムが早くなっていく。自分でも制御できなくなって、腰を深く沈めるたびに、奥が熱く脈打つ。頭の中が断片的になって、「いけない」「息子の友人なのに」「でも止まらない」と、思考が途切れ途切れになる。健の手が私の胸を揉み、乳首を指で摘まむ強さが増す。その刺激と、下から突き上げてくる動きが重なって、脚の付け根が震えた。内壁が勝手に締まって、息が止まる。何も考えられなくなって、ただその熱の中に沈んでいった。

終わった後、健は私の肩に顔を埋めて、しばらく動かなかった。汗で湿った髪が、私の肌に張り付いている。私は天井を見ながら、自分が何をしたのかをぼんやり考えていた。後悔がないわけではない。でも、若い体の熱に包まれていた時間は、確かに満たされていた。

それから健は、以前より頻繁に来るようになった。相談事がなくても「おばさん、今日暇?」と連絡が来る。私は断れなかった。夫が帰ってくる前の短い時間に、二人で布団を敷いて、何度も体を重ねた。彼の回復の早さに驚かされながら、私の体もそれに応えていくのが、自分でも怖かった。

今でも、インターホンが鳴ると少し胸がざわつく。息子が帰省した日に、健と顔を合わせるのが気まずくて仕方ない。でも、あの甘えられる感覚を、私はまだ手放せていない。

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