鍵をかけた音が、妙に大きく響いた。空き物件の居間は家具も何もなく、薄いベージュのカーペットが足元に広がっているだけだった。窓から差し込む秋の光が、ほこりっぽい空気をゆっくりと漂わせている。俺は営業の書類を鞄にしまいながら、彼女の方をちらりと見た。
モスグリーンのバンドカラーシャツに、ベージュのラップスカート。髪には布製のバレッタを一つだけ留めている。いつも通りの、静かで目立たない格好だ。清子さんは五十七歳。内見の案内や事務補助を長年やっていて、社内では「あの人は控えめだから」と評されている。声も小さく、笑顔も控えめ。でも俺だけは知っている。夫と長い別居が続いていて、身体の渇きを誰にも言えないでいることを。
「……今日は、少しだけ」 彼女が呟いた。声はいつものように細い。仕事中だ。長くはできない。でも、二人で時々こうして空き物件を利用するのは、もう習慣になっていた。誰にもバレない、静かな場所。それが彼女の唯一の逃げ場だった。
俺が近づくと、清子さんは少しだけ目を伏せた。内気な性格が出ている。でも体はすでに俺の方へ傾いている。「恥ずかしいけど……」と小さく息を吐きながら、シャツのボタンに指をかけた。
シャツを脱ぎ、スカートを解く。下から現れたのは、ベージュのシームレスショーツと、同色のシームレスノンワイヤーブラだった。飾り気のない、日常そのものの下着。でもそれが余計に、彼女の控えめな日常を強調していた。ブラを外すと、Eカップ相当の胸が、下垂気味ながらも形良く、重みを持って揺れた。やや細身の体に、そのおっぱいだけが豊かに載っている。抱きしめると、細い体に大きなおっぱいが押し潰される感触が、すぐに伝わってきた。お尻は小さめだが丸く、太ももは細いのに柔らかい。お腹はほぼ平坦で、肌はきめ細かい。
「声……出ちゃうから……静かにして」 清子さんが俺の胸に顔を埋めて、そう言った。仕事中だという緊張が、まだ声に残っている。隣に住人がいた場合、声が漏れたら恐ろしいことになるからだ。
俺はまず、彼女の唇に長く深い舌キスを落とした。唾液をたっぷりと交換する。彼女の舌は最初こそ遠慮がちだったが、すぐに絡みついてきた。次に、鎖骨を歯で軽く引っ掻きながら吸う。白い肌に、すぐにうっすらと跡が残る。清子さんの息が少し乱れた。
「んっ……そこ……」 さらに、クリトリスを指の腹で円を描くように刺激する。すでに熱く湿っていた。円を描く動きに合わせて、彼女の細い太ももが小さく痙攣する。恥ずかしそうに顔を背けながらも、腰はわずかに俺の指へ押し当たってきた。
「こんなの……初めてよ」 と彼女は言った。本当は何度もやっているのに、毎回そう言う。それが清子さんの、控えめな言い訳だった。
正常位で、彼女を優しくカーペットに寝かせた。ゆっくりと深く挿入する。熱いものが中へ入っていく感覚に、清子さんは目を細めた。俺は目を合わせたまま、ゆっくりと動き始めた。彼女の瞳が、恥ずかしさと快楽で揺れている。
「もっと……目、見て」 俺が小さく囁くと、清子さんはこくりと頷いた。細い体に、重みのあるおっぱいが上下に揺れる。抱きしめると、その胸が俺の胸板に押し潰されて、柔らかい圧迫感が広がる。静かな部屋に、肌が触れ合う小さな音と、彼女の抑えきれない吐息だけが響く。
リズムは最後までゆっくりだった。でも深く、確実に。清子さんの内壁が、徐々に熱を帯びて締めつけてくる。最初は「静かにして」と自分を制していたのに、今は歯止めが効かなくなっている。腰が小さく俺に合わせて動き、キスを求めるように唇を寄せてくる。
「もう少し……傍にいて」 耳元で掠れた声が聞こえた。別居の寂しさ、触れられたいという渇きが、全部その一言に詰まっていた。俺は彼女の細い体を抱きしめたまま、目を離さずに動き続けた。彼女の脚が俺の腰に絡み、内壁が強く収縮する。息を殺したまま、清子さんは小さく体を弓なりに反らせて絶頂に達した。
行為が終わった後も、しばらく抱き合ったままだった。カーペットの感触と、彼女の細いきめ細かい肌の温もりが、まだ手に残っている。清子さんは俺の胸に顔を寄せて、小さく息を整えた。
「……次は、また別の物件で」 そう言って、彼女はいつもの控えめな笑顔を浮かべた。仕事に戻る時間が近づいている。シャツを着直し、バレッタで髪を整える仕草も、いつもと変わらない。でも俺だけが知っている。この静かな秘密を、二人で繰り返していることを。
空き物件の鍵を開けて外に出るとき、秋の風が少し冷たく感じた。また次の内見まで、この熱だけが俺の中に残るのだ。


